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元東映プロデューサー田中憲吾の芸能界回顧録ブログ

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プロデューサー時代の俳優女優さんとの交流記録や

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時代劇「三匹が斬る!」制作の裏側


今日は、1987年~1995年にテレビ朝日系列で放送されていた時代劇「三匹が斬る!」の制作の裏側についてご紹介したいと思います。

「三匹が斬る!」とは

矢坂平四郎(通称:殿様)/高橋英樹さん

久慈慎之介(通称:千石)/役所広司さん

燕陣内(通称:たこ)/春風亭小朝さん

という3人の浪人が、行く先々でそれぞれ違う経緯で出会った人々のために立ち回り、最後は協力して黒幕をやっつけるという時代劇です。

第6シリーズからは役所広司さんに代わって、

吉良右近(通称:千両)/近藤真彦さん

も加わり、全7シリーズに亘って制作致しました。


この作品は、90年代当時で最高視聴率を20%を超える大ヒットとなり、局長表彰を頂くことのできた私にとって思い出深い作品です。

また私ごとですが、実は私の息子が2歳から春風亭小朝さんの息子 陣之介役でレギュラー出演しておりました。

そもそもこの時代劇を作ったコンセプトは、

「時代劇らしくない面白い時代劇を」

というものでした。

難しいセリフ回しや時代設定に制限されることなく、とにかく面白いドラマを作りたかったのです。

あえて現代劇風の時代劇を作り、時代設定も無視して作りました。

おかげさまで幅広い年代の方からご支持を頂き、

いまだに根強いファンの方がいて、再放送を望む声があるとのことで有難い話です。

数年前に娘が見つけた「三匹が斬る!」のファンの方が作られたサイトを見た時にはとても嬉しく感じたものです。

三匹が斬る!がこれだけ人気が出たのは、何よりも三匹の個性的なキャラクターに依る所が大きいでしょう。

二枚目正義キャラの殿様(高橋英樹さん)

三枚目ワイルドキャラの千石(役所広司さん)

お調子者キャラのたこ(春風亭小朝さん)

途中から役所さんとバトンタッチした、

どこか不器用な生真面目キャラの千両(近藤真彦さん)

この三匹(四匹?)の掛け合いに面白さがあります。

実は役所さんと小朝さんは、そのキャラクターに合わせて、

事前打ち合わせはするけれども、本番ではアドリブでセリフを変えて2人で生の掛け合いをするというスタイルでしたので、現場でも皆笑いを堪えるのが大変でした。

ところで、役所広司さんから近藤真彦さんへの交代劇の裏側ですが、

実は当時、役所さんから映画「Shall We Dance?」の撮影のために半年間休ませて欲しいと言われました。

しかし、三匹が斬る!は高視聴率番組であったため、一刻も早い続編が望まれており、人気キャラクターであった役所さん演じる千石に代わる魅力的な出演者を探す必要がありました。

そこで、急遽ジャニーズ事務所にお願いにあがって、

近藤真彦さんにオファーをしたのです。

ところが当時20代であったマッチからの答えは、時代劇も初めてカツラも初めて着物を着て立ち回るのも初めて、で自信がないと出演NGでした。

しかし、ジャニーズの当時の幹部の方が元々「三匹が斬る!」を見てくださっていて、

一緒にマッチを説得してくださったおかげで出演にこぎつけることができました。

髪型は中剃り頭(いわゆるちょんまげ)ではなくポニーテールにし、衣装も殺陣(たて)のシーンで乱れないように着流しの着物姿ではなく袴姿に変更するなど工夫しました。

三匹が斬る!は完全オリジナルストーリーな訳ですが、実は1話1話脚本家が違い、

毎回、脚本家、テレビ朝日のプロデューサーの杉崎さん、東映本社のプロデューサーの深沢さん、東映京都の制作プロデューサーの私の4人で集まってネタを考え、サブタイトルはプロデューサー3人で付けていました。

実は私の息子が子役として出演することになったのも、

この杉崎プロデューサーから、

「劇団のプロの子役よりも、素人で子供らしく動物的愛嬌のある存在のキャラクターが欲しい」

ということで、依頼されたからなのです。

そこで、春風亭小朝さんとお姫様(樹木希林さん)との間に誕生した子どもとして3シリーズに亘って出演させて頂きました。

共演者の皆さんから可愛がっていただき、

のちに希林さんからは、「私の息子は元気?会わせて欲しいわ」と言われて、息子とご挨拶に伺ったこともありました。

今月からBS朝日で再放送がされるようです。

ご興味を持っていただけた方はぜひ見てみてください。 私は関係ないのですがσ(^_^;) ↓これは当時の貴重なポスターです。 第6・7シリーズのものです。



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