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元東映プロデューサー田中憲吾の芸能界回顧録ブログ

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プロデューサー時代の俳優女優さんとの交流記録や

時代劇・ドラマの制作秘話など芸能界の裏話エピソードをつづったブログ

高倉健さんの大ファン ガッツ石松さん


このブログでは、東映プロデューサー時代の俳優女優さんとの思い出や、時代劇・ドラマの制作エピソードを振り返る回顧録としてブログに綴っております。

今日はガッツ石松さんとの思い出を書きたいと思います。

これも1999年6月16日に日刊スポーツで連載させて頂いていた「カメラの向こうで 素顔のスター」というコラムが元になっています。

ガッツ石松さん

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ガッツ石松さんとの出会いは東映映画「神戸国際ギャング(1975年高倉健さん主演)」の時だ。


すぐに意気投合し、以来24年(今現在では40年!)の付き合いになる。

三度笠に道中ガッパという異色の格好でリングに上がり、

WBC世界ライト級チャンピオンに輝いたボクサーだ。

自他共に認める大の高倉健さんファンでもあった。

健さんに紹介するため

控え室に案内した時のこと。

健さんが直々に入れてくれたコーヒーを緊張のあまりこぼしてしまった。

今でもこの話になると石松さんは

「初恋の人に会ったような心境」と緊張する。

その後、生まれた長男に”健太”と名付けたほどだ。

少年時代は悪ガキでよく警察のお世話になったり、

両親に心配をかけた。

「ボクサーになっていなかったら、

映画俳優かヤクザになっていた。」

が口グセだ。

以前、石松さんと私の両夫婦でハワイへ旅行したことがある。

ささいなことで石松さん夫婦は喧嘩。

部屋に戻って休もうとしていたら、突然ノック。

「女房が起こって部屋に入れてくれないんだけど、ちょっと一緒に来て」

なんとか奥さんをなだめて、やっと入れてもらった。

チャンピオンも奥さんの前では形なしだ。

その十月十日後に次男の有太くんが生まれた。

彼はやると決めたら必ず実行する性格。

自主映画「カンバック」を制作する時も、

選挙に出馬した時も、

奥さんの反対もあったらしいが実行した。

「頑固だから、私が何を言ってもダメ」

と奥さんがこぼしていたこともあった。

男気に富み、人に好かれやすく、

天然ボケとシャープな部分を併せ持つ。

名前の通りガッツは売るほどある。

それがボクシングにもよく表れている。

その後引退し、役者として新たなスタートを切った。

「ボクシングの世界ならともかく、役者としては新米の駆け出し。

人に何を言われても、謙虚に意見を聞いて頑張ります」

と熱っぽく語っていたことを昨日のことのように思い出す。

彼のユニークなキャラクターを生かして、演技に磨きをかけ、

個性のある役者として、一層の活躍を期待したい。


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